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阿倍野にある店主一人で営む1席のみの理容室

喜多出理髪店・店主のブログ

この記事のみを表示する終末期のお義父さんと僕

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闘病中の義父が10月31日午前死去致しました。

今、自分が父に出来る事を最優先に考え行動した事で
時短営業や、臨時休業など家庭の事情とは言え
お客さまには多大なご迷惑をおかけいたしました事
心よりお詫び致します。

それでも、ご理解頂き
ご来店頂いているお客さまには、とても感謝しています。

墓や仏壇で気持ちを伝えても伝わらない
『気持ちは、生きている間に伝える』
妻にはこれを口酸っぱく言ってきました。
そして、夫婦共に父が生きている間に伝えられました。

癌センターの時、面会は1人
鉄道病院に転院して、妻と一緒に面会に行きました。

部屋へ入って間もなく妻がトイレへ。

妻の姿が見えなくなってから急に
お義父さんが『祐介、もうあかんわ』と。

終末期の病棟に入っているのに
『治ります!頑張りましょ!』なんて言えませんし
『確かに、そうですよね・・』とも言えません。

そこで、僕はお義父さんにこう伝えました。

お義父さん、僕がお義父さんの立場なら
『こんなしんどい思いして生きて居たくない』
『迷惑かけるから早く逝きたい』と思うと思います。

でも、残された僕ら親族からすると
お義父さんが、この世で生きている事が
僕らが毎日、なんとか過ごしていけるんです。

お義父さんは辛いし、しんどいと思います。

でも、お義父さんがどんな状況であれ
この世で息をしている事が
僕ら親族の、心の支えになっているんです。

なので一日でも長く生きてください。

父は、何も言わずうなずきました。

その後は
浮腫んでいる父の足をマッサージしながら
妻と3人、ゆっくりした時間の中、会話をしました。
3人で一緒に笑った事も良い思い出です。

気付けば
30分の面会時間を大幅に越していました(笑)
多分3時間くらい(笑)

それからは、行ける時は行きました。

『お義父さん、また時間ある時は来ますねー!』
『まだ逝ったらあきませんよー!』
『1日でも長く生きてくださいねー!!』と
帰る時は、明るく声掛けをして部屋をあとにしました。

お義父さんも『がんばるわー』と返事してくれました。

でも亡くなる最後の週初めは
『祐介、今度は木曜日まで来られへんのか?』
『木曜日は来てくれるんやろか?』と
日に日に遠のく意識の中、
妻に言った言葉が、忘れられません。

いない事が、日を追うごとに実感していきます。

もっと長生きしてほしかった・・・。
もっとお義父さんの髪の毛を切ってあげたかった。
もっと話しをしておけばよかった。
もっと旅行へ連れていってあげればよかった。
もっとおいしい物を食べさせてあげたかった。

『検査に行って!』と前々から言えばよかった。


全財産無くなってもいい
片目、片肺なくなってもいい
お義父さんが生き返るなら

そう毎日思う日々です。

本当に良いお義父さん・・お父さんでした。
自分の父親よりも、父でした。
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